ホウキ1つでありがとうに変わる

05265e6b6b2e50e7eaa49ca6cfcd0908_1b2a41b4d5ecaf6e989cc0e18deb3e0e

ずっと前の話だけど、認知症のYさんって人がいたんだけどね。

その人は、アルツハイマー型認知症で、とにかく施設の中を端から端までウロウロ、ウロウロ疲れ果てても歩き回る人だったの。

周りに害があるわけではないから、どうぞご自由に~って感じだったんだけど、歩いてる本人も、周りも何を目的としているかわからなかったんだよね。

多分、本人は最初は『息子を迎えに行かなきゃ』とか『夫が帰ってくるからご飯の買い物に行かなきゃ!』なんて自分の中に理由があったと思うんだけど、歩いてるうちに、その理由も忘れちゃってたと思うのね。

で、疲れ果てるまで歩き続けてしまうような人だったの。

(ちなみに、徘徊は周りの人から見るとそうかもしれないけど、本人にとっては目的行動だから厳密にいうと徘徊ではないね。)

そこで、ある時、ホウキを手渡してみたんだ。

そうしたら「ホウキ」=「掃くもの」=「私の仕事」って流れができて、ホウキを持ってお掃除をしてくれるようになったんだ!

そしたらYさん、急に周りから「ありがとう!」とか「ごくろうさま!」って声を掛けてもらえるようになってね。

なんと、認知症の症状もグッとよくなっていったんだよ~!

どんな形であれ、人との関わりが増えると認知症の症状はぐっと良くなる。

ホウキを持たなきゃただの徘徊。

ホウキを持ってたら掃除をする人。

ただ歩いてる人に、ほうきを持ってもらうだけで、その人は、ただ歩いてる人から、お掃除をしている人に変身できるんだよね。

こういうことが、周りのスタッフに求められるテクニック。

よく『役割を持ってもらう』というのはケアプランにも出てくるけど、何をしてもらったらいいかわからないってこと多いのが現実。

でも、どんなに認知症が深い人でも、何もできない人はいない。

例え重度の寝たきりでも、そこに存在しているだけで良いんだから。

そして、スタッフは「〇〇をさせる人」になってはいけない。

「一緒にする人」か、「教えてもらう人」または横の繋がりとして「依頼する人」が良いよね。

それじゃなかったら、完全に裏方の黒子に徹すべし!

スタッフには、その人の「良いとこ探し」のプロになって欲しい。

『できないこと探し』『問題点探し』をするのではなく、『できること』『良いところ』を探すようにすれば、良いプランが作れるよ。

と言いつつ、なかなか息子たちには厳しくなってしまう母ですが(;^ω^)

じゃ♪

明日も、良い風が吹きますように☆

おすすめ記事

  1. やっぱり家がイイよね〜
  2. むく2周年
  3. 環境の力ってすごい!
  4. 赤ちゃんに学ぶケア
  5. いのちの大切さをつたえるのはいいことなのか、そうでないのか
  6. 介護人は、介護ばかりやってちゃダメだ
  7. 合同会社MUKU1周年!

関連記事

  1. 看護小規模多機能むく
  2. クリスマスは手作りで
  3. 笑う門には・・・
  4. あれもこれもリハビリ
  5. 駄菓子屋むく
  6. 介護もつながりの時代です
  7. 施設っぽくない大きな家の間取りができた
  8. 3周年

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP